1.2009年6月12日(日本時間)、世界保健機関(WHO)は、現在の多くの国における感染の客観的状況と専門家の評価から、新型インフルエンザのパンデミック警戒レベルをフェーズ5から6に引き上げました。
新型インフルエンザの世界的感染拡大にかんがみ、今後、海外に渡航を予定されている方及び既に滞在されている方は、渡航・滞在先の感染状況及びWHOの情報等最新情報を入手し、十分注意の上、感染防止に努めるとともに、感染が疑われた場合には速やかに医療機関で受診してください。
(ただし、国・地域によって状況が異なりますので、渡航・滞在先に所在している在外公館等に御確認ください。)
2009年7月16日、WHOは、全ての国・地域の確定症例数の公表は取りやめ、感染が継続している加盟国からの感染確定症例数の報告を今後は求めないとの方針を示しました。また、WHOは、2010年2月28日付で全世界の死亡者は少なくとも16,445人と発表しておりますが、検査されず、またインフルエンザ関連と診断されない死亡者も多いため、これは実際の死亡者数よりも少ないともしています。下記国・地域別感染者数情報の【】内は、WHOが2009年7月6日現在で公表していた人数です。
2010年3月8日午前11時(日本時間)現在、感染及び死亡が確認された旨政府当局等が発表した国・地域は以下のとおりです(※なお、日本を含め、米国、英国、アルゼンチン、サウジアラビア、シンガポール、ボリビア等既に感染者の全数検査をとりやめている国・地域もあり、以下の感染者数は各国・地域の当局等が最後に公表した人数です。)。
感染が確認された国・地域 177か国3地域
米国 感染者数 57,602人(うち 2,587人死亡) (米領サモア、グアム、プエルトリコ、米領バージン諸島、 北マリアナ諸島含む) ブラジル 感染者数 27,850人(うち 1,632人死亡) インド 感染者数 29,762人(うち 1,385人死亡) メキシコ 感染者数 71,090人(うち 1,088人死亡) 中国 感染者数 127,000人(うち 793人死亡) 香港 感染者数 27,897人(うち 42人死亡) マカオ 感染者数 3,173人 ウクライナ 感染者数 4,524人(うち 782人死亡) アルゼンチン 感染者数 11,218人(うち 626人死亡) 英国 感染者数 29,646人(うち 448人死亡) (バミューダ島、ケイマン諸島、マン島、ガーンジー島、ジャージー島、 英領バージン諸島、タークスカイコス諸島、フォークランド諸島を含む) カナダ 感染者数 10,156人(うち 428人死亡) フランス 感染者数 1,348人(うち 334人死亡) (仏領ポリネシア、マルチニーク島、グアドループ、ニューカレドニア、 サンマルタン、レユニオン、ワリス・フテュナ諸島を含む) エジプト 感染者数 15,508人(うち 270人死亡) スペイン 感染者数 1,806人(うち 232人死亡) ペルー 感染者数 9,487人(うち 217人死亡) タイ 感染者数 34,273人(うち 212人死亡) 韓国 感染者数 15,185人(うち 209人死亡) コロンビア 感染者数 3,288人(うち 205人死亡) 日本 感染者数 5,022人(うち 197人死亡) オーストラリア 感染者数 37,196人(うち 190人死亡) ポーランド 感染者数 2,528人(うち 179人死亡) ポルトガル 感染者数 2,244人(うち 164人死亡) チリ 感染者数 12,302人(うち 155人死亡) イラン 感染者数 3,672人(うち 147人死亡) シリア 感染者数 432人(うち 138人死亡) ギリシャ 感染者数 17,849人(うち 133人死亡) ベネズエラ 感染者数 2,839人(うち 133人死亡) サウジアラビア 感染者数 14,500人(うち 128人死亡) ルーマニア 感染者数 7,003人(うち 122人死亡) エクアドル 感染者数 3,010人(うち 120人死亡) ハンガリー 感染者数 2,090人(うち 109人死亡) チェコ 感染者数 1,419人(うち 100人死亡) ドイツ 感染者数 192,348人(うち 94人死亡) 南アフリカ 感染者数 12,640人(うち 93人死亡) セルビア 感染者数 702人(うち 83人死亡) マレーシア 感染者数 12,456人(うち 78人死亡) モロッコ 感染者数 2,890人(うち 64人死亡) ボリビア 感染者数 2,337人(うち 59人死亡) ベトナム 感染者数 11,166人(うち 57人死亡) アルジェリア 感染者数 916人(うち 57人死亡) キューバ 感染者数 793人(うち 53人死亡) スロバキア 感染者数 1,193人(うち 52人死亡) コスタリカ 感染者数 1,903人(うち 50人死亡) スリランカ 感染者数 641人(うち 48人死亡) パラグアイ 感染者数 953人(うち 47人死亡) イラク 感染者数 2,880人(うち 42人死亡) モルドバ 感染者数 2,705人(うち 42人死亡) フィンランド 感染者数 7,500人(うち 36人死亡) エルサルバドル 感染者数 834人(うち 33人死亡) ウルグアイ 感染者数 550人(うち 33人死亡) オマーン 感染者数 6,345人(うち 32人死亡) ラトビア 感染者数 1,318人(うち 32人死亡) イエメン 感染者数 4,230人(うち 31人死亡) クウェート 感染者数 8,193人(うち 30人死亡) グルジア 感染者数 3,221人(うち 27人死亡) (うち、アブハジア自治共和国においては、2,000人以上の感染(5人死亡)) スウェーデン 感染者数 11,000人(うち 27人死亡) クロアチア 感染者数 1,566人(うち 26人死亡) ロシア 感染者数 30,319人(うち 24人死亡) マケドニア 感染者数 1,338人(うち 24人死亡) チュニジア 感染者数 1,200人(うち 24人死亡) モンゴル 感染者数 1,167人(うち 24人死亡) ドミニカ(共) 感染者数 491人(うち 23人死亡) リトアニア 感染者数 155人(うち 22人死亡) ニュージーランド 感染者数 3,281人(うち 21人死亡) (クック諸島を含む) イタリア 感染者数 2,948人(うち 21人死亡) ベルギー 感染者数 214,531人(うち 19人死亡) ヨルダン 感染者数 3,031人(うち 19人死亡) トルコ 感染者数 1,870人(うち 19人死亡) (報道によればトルコ保健省は415人の死亡を発表) スイス 感染者数 13,439人(うち 18人死亡) ノルウェー 感染者数 8,500人(うち 18人死亡) グアテマラ 感染者数 1,170人(うち 18人死亡) アフガニスタン 感染者数 837人(うち 17人死亡) シンガポール 感染者数 1,055人(うち 16人死亡) ホンジュラス 感染者数 560人(うち 16人死亡) スロベニア 感染者数 2,066人(うち 15人死亡) アイルランド 感染者数 3,189人(うち 14人死亡) ベラルーシ 感染者数 179人(うち 13人死亡) パナマ 感染者 795人(うち 12人死亡) ニカラグア 感染者数 2,172人(うち 11人死亡) イスラエル 感染者数 60人(うち 11人死亡)【681人感染】 コソボ 感染者数 47人(うち 11人死亡) パキスタン 感染者数 11人(うち 11人死亡) インドネシア 感染者数 1,098人(うち 10人死亡) カタール 感染者数 450人(うち 10人死亡) バーレーン 感染者数 1,325人(うち 8人死亡) モンテネグロ 感染者数 319人(うち 8人死亡) モーリシャス 感染者数 69人(うち 8人死亡) ジャマイカ 感染者数 149人(うち 7人死亡) オランダ 感染者数 1,473人(うち 6人死亡) (オランダ領アンティル、アルバを含む) バングラデシュ 感染者数 827人(うち 6人死亡) アラブ首長国連邦 感染者数 110人(うち 6人死亡) レバノン 感染者数 1,838人(うち 5人死亡) トリニダード・トバゴ 感染者数 269人(うち 5人死亡) スーダン 感染者数 79人(うち 5人死亡) カンボジア 感染者数 444人(うち 4人死亡) マダガスカル 感染者数 877人(うち 3人死亡) ルクセンブルク 感染者数 785人(うち 3人死亡) ボスニア・ヘルツェゴビナ 感染者数 558人(うち 3人死亡) バルバドス 感染者数 155人(うち 3人死亡) オーストリア 感染者数 1,159人(うち 2人死亡) ラオス 感染者数 297人(うち 2人死亡) ブルガリア 感染者数 204人(うち 2人死亡) ネパール 感染者数 172人(うち 2人死亡) サモア 感染者数 138人(うち 2人死亡) スリナム 感染者数 110人(うち 2人死亡) モザンビーク 感染者数 57人(うち 2人死亡) ナイジェリア 感染者数 11人(うち 2人死亡) セントクリストファー・ネービス 感染者数 10人(うち 2人死亡) フィリピン 感染者数 1,709人(うち 1人死亡) ブルネイ 感染者数 1,170人(うち 1人死亡) リビア 感染者数 764人(うち 1人死亡) タンザニア 感染者数 752人(うち 1人死亡) マーシャル 感染者数 115人(うち 1人死亡) セントルシア 感染者数 75人(うち 1人死亡) ナミビア 感染者数 72人(うち 1人死亡) モルディブ 感染者数 35人(うち 1人死亡) バハマ 感染者数 24人(うち 1人死亡) トンガ 感染者数 20人(うち 1人死亡) キプロス 感染者数 297人 (WHOはキプロスにおいて死亡例が確認された旨発表。) エストニア 感染者数 4人【13人】 (WHOはエストニアにおいて死亡例が確認された旨発表。また、報道 によればエストニア保健当局は269人の感染、1人の死亡を発表) ケニア 感染者数 417人 ルワンダ 感染者数 389人 キルギス 感染者数 288人 ウガンダ 感染者数 263人 フィジー 感染者数 234人 コンゴ(民) 感染者数 222人 ミャンマー 感染者数 137人 カーボヴェルデ 感染者数 118人 中央アフリカ 感染者数 100人 ハイチ 感染者数 91人 ザンビア 感染者数 90人 ミクロネシア 感染者数 82人 デンマーク 感染者数 44人【66人】 サントメ・プリンシペ 感染者数 66人 レソト 感染者数 65人 アイスランド 感染者数 63人 ガーナ 感染者数 54人 ドミニカ国 感染者数 49人 パラオ 感染者数 47人 ベリーズ 感染者数 42人 ジンバブエ 感染者数 41人 アンゴラ 感染者数 37人 セーシェル 感染者数 33人 チャド 感染者数 30人 ガイアナ 感染者数 29人 グレナダ 感染者数 28人 マルタ 感染者数 【24人】 (報道によれば244人の感染、1人死亡) ボツワナ 感染者数 23人 ツバル 感染者数 23人 コンゴ(共) 感染者数 21人 セントビンセント 感染者数 19人 カザフスタン 感染者数 17人 モーリタニア 感染者数 15人 セネガル 感染者数 14人 タジキスタン 感染者数 14人 アゼルバイジャン 感染者数 13人 エチオピア 感染者数 12人 マリ 感染者数 12人 パプアニューギニア 感染者数 12人 ニジェール 感染者数 12人 ジブチ 感染者数 9人 ナウル 感染者数 8人 ブルンジ 感染者数 7人 カメルーン 感染者数 7人 ブータン 感染者数 6人 東ティモール 感染者数 6人 コートジボワール 感染者数 5人 アンティグア・バーブーダ 感染者数 4人 キリバス 感染者数 4人 ガボン 感染者数 4人 マラウイ 感染者数 4人 ソロモン 感染者数 4人 バヌアツ 感染者数 3人 スワジランド 感染者数 2人 ソマリア 感染者数 2人 パレスチナ自治区(西岸及びガザ地区) 感染者数 1,676人(うち死亡者 43人) 台湾 感染者数 1,280人(うち死亡者 35人) 北朝鮮 感染者数 27人
WHOは上記の他、アンドラ、アルバニア、アルメニア、モナコの4つの国で感染が確認 された旨公表しています。(アルバニア、アルメニアについては死亡確認も公表。)
その他、3月8日午前10時現在、感染が確認された又は感染の疑いあるとの報道等がある国(1か国)は以下のとおりです。
リヒテンシュタイン
2.新型インフルエンザとは
新たにヒトからヒトへ感染する能力を有することとなったウイルスを病原体とするインフルエンザであって、一般に人類が免疫を獲得していないことから、大規模かつ急速なまん延により人類の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいいます。
今般、メキシコや米国等で感染が確認されたインフルエンザ(A/H1N1)は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する法律」第6条7号に規定する新型インフルエンザに位置づけられました。
3.新型インフルエンザの症状
突然の高熱、咳、咽頭痛、倦怠感に加えて、鼻汁・鼻閉、頭痛等であり季節性インフルエンザと類似しているといわれています。ただし、季節性インフルエンザに比べて、下痢や嘔吐が多い可能性も指摘されています。
4.留意点
WHOは、この新型インフルエンザの感染者の圧倒的多数は軽症であり、早期に回復していること、及び世界的には死者数は少なく、今後重症・死亡例の急増はない見通しを伝えつつ、引き続き渡航制限は推奨しないとしています。その一方で、更なる感染拡大は不可避であること、特に途上国における更なる感染拡大が懸念されることを指摘し、季節性インフルエンザでは、高齢者が重篤化して死亡する例が多いのに対し、今回の新型インフルエンザでは、海外の事例によれば、基礎疾患(糖尿病、ぜん息等)を有する者を中心に 重篤化し、一部死亡することが報告されているともしています。
また、現時点では少ないものの、健常な若者の一部においても死亡する例が見られることもあります。
つきましては、下記5.の点に留意し、感染防止に努めてください。
5.感染防止策
(1)こまめに手洗いやうがいを行う。
手洗いは、外出後に行うだけではなく、可能な限り、こまめに行う。流水と石けんを 使って最低15秒以上行い、洗った後は清潔なタオル等で水を十分に拭き取る。
(2)ウイルスは粘膜を介して感染するので、口、鼻、目などの粘膜部分に手で触れない。
(3)咳や発熱などの症状のある人に近づかない。人混みの多い場所に行かない。
マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウイルス等病原体の飛散を かなり減少させることが期待できるため、インフルエンザ様の症状がある方がやむを得 ず外出する場合は、飛沫を防ぐために、混み合った場所(特に屋内や乗り物など換気が 不十分で閉鎖的な場所)に入るときには着用する。
(4)発熱や咳などインフルエンザと似た症状がみられた場合には、現地の医療機関を受診する(ただし、国・地域によって状況が異なりますので、渡航・滞在先の公館等に御確認ください)。
6.海外における入国時の健康チェック
現在、渡航先によっては、入国時の健康チェック(質問票やサーモグラフィによるもの)が行われています。その際、発熱等インフルエンザ様症状がある場合には、新型インフルエンザ感染の確認等のため、一定期間待機を求められる場合がありますので、日本出発時に発熱等不調を感じられた場合には出発前に都道府県による新型インフルエンザ相談窓口発熱相談センター(http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/090430-02.html)
等に御相談されることをお勧めします。
7.日本帰国時の検疫体制
わが国入国前の検疫ブースにおいて、健康カードを配布し、発症した場合には医療機関を受診するよう注意喚起しています。各保健所等に設置された発熱相談センターでは、医療機関の紹介、自宅療養患者への相談対応等の情報提供を行っていますので、御相談ください。
(問い合わせ先)
○外務省領事局政策課
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5374
○外務省領事局海外邦人安全課
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)5140
○外務省領事サービスセンター(海外安全担当)
電話:(代表)03-3580-3311 (内線)2902
○外務省海外安全ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp/
(携帯版):http://www.anzen.mofa.go.jp/i/
(関連ホームページ)
○厚生労働省ホームページ(新型インフルエンザ対策関連情報)http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
○国立感染症研究所感染症情報センターホームページ
(新型インフルエンザ(A/H1N1))http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/index.html
○世界保健機関(WHO)ホームページ(新型インフルエンザ関連)http://www.who.int/csr/disease/swineflu/en/(英語)
○CDC(米国疾病管理予防センター) http://www.cdc.gov/h1n1flu/(英語)
○農林水産省ホームページ(新型インフルエンザ関連情報)http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/anpo/pdf/shininful.html
(了)